米Sun Microsystemsが米国時間11月7日に,ワークグループおよび企業向けのモジュラ型ストレージ・アレイ「StorEdge T3」の強化内容を発表した。新しいコントローラを採用し,高速化や復元能力向上,SAN(Storage Area Network)対応の強化を図った。「ストレージに関するTCO(Total Cost of Ownership)を業界で最小レベルに抑える」(Sun社)と説明する。

 StorEdge T3とストレージ・リソース管理ソフトウエア「StorEdge SRM 5.0」を組み合わせて使用することで,「顧客の所有しているストレージ・リソースを最大限有効活用し,TCOを大幅に削減しつつストレージに関する投資回収率を高めることができる」(Sun社)としている。

 また強化版のStorEdge T3は既存のT3アレイと統合して導入できるため,すでに投資したストレージ関連資産を無駄にすることがないという。

 StorEdge T3アレイの主な強化内容は次の通り。

・コントローラの強化。キャッシュ・サイズは従来のStorEdgeの4倍。

・プロセサの処理速度は従来の2倍。

・SANファブリック・トポロジをサポート。統合フェイルオーバおよびロード・バランシング機能を持つ「Solaris」に対応。

・キャッシュおよびRAID5演算アキュムレータのエラー検出/訂正回路により,復元能力を向上。

・「StorEdge SAN 3.0」によるSANへの対応拡張と,Windows NT,IBM AIX,HP/UX向けSAN管理機能の向上。

・「StorEdge Traffic Manager」を組み込み,SAN全体での動的なフェイルオーバおよびロード・バランシングを自動化。

 またStorEdge SAN 3.0を使用すると,最大で10Km離れた地点間でのストレージ共有が可能になる。そのため顧客はより大規模なSANの構築/管理や,耐災害性のあるシステムを導入できるとしている。既存のファイバ・チャネル・ディスク・ストレージ・インフラを利用して,ファイバ・チャネル・テープ装置へデータをバックアップすることも可能。

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