米IBMが米国時間11月7日に,ハード・ディスク装置の新製品を発表した。デスクトップ・パソコン用3.5インチの「Deskstar 120GXP」,ノート・パソコン用2.5インチの「Travelstar 60GH」および「Travelstar 40GN」製品系列である。またTravelstarの可用性を向上させた主としてサーバー向けの製品系列(Enhanced Availability Models)も用意する。

 Deskstar 120GXPの記憶容量は最大で120Gバイト。「消費電力は業界最少」(IBM社)。Travelstar 60GHの記憶容量は60Gバイト。Travelstar 40GNは40Gバイト,30Gバイト,20Gバイト,10Gバイトの製品を用意する。消費電力が少なく,静穏性に優れているとしている。TravelstarのEnhanced Availabilityモデルは,「365日24時間停止せずに動作させるサーバー環境の要求を満たすため,連続運用時間を延ばしている」(同社)

 なおDeskstarとTravelstarの全製品で,“pixie-dust(妖精の埃)”と呼ぶIBM社の反強磁性結合(antiferromagnetically-coupled:AFC)メディアを使用しており,データの安定性や記録密度を高めている(関連記事)。

 各製品の主な仕様は次の通り。

・Deskstar 120GXP:記憶容量120Gバイト/80Gバイト/40Gバイト,回転速度7200rpm,高さ25.4mm,記録密度297億ビット/平方インチのガラス製プラッタ(3枚/2枚/1枚),GMR記録ヘッド(6個/4個/2個),非動作時の耐衝撃性400G秒(2m秒,2プラッタ),平均待ち時間4.17m秒,平均シーク時間8.5m秒,標準ATA-100インタフェース,アイドル時の消費電力6.7W,アイドル時の騒音3.0ベル(2プラッタ)。

・Travelstar 60GH:記憶容量60Gバイト,回転速度5400rpm,高さ12.5mm,重量155g,記録密度280億ビット/平方インチのガラス製プラッタ(4枚),GMR記録ヘッド(8個),非動作時の耐衝撃性700G秒(1m秒),動作時の耐衝撃性150G秒(2m秒),平均待ち時間5.5m秒,平均シーク時間12m秒,ATA-5インタフェース,最大転送速度100Mバイト/秒,アイドル時の騒音2.5ベル,動作時の騒音3.5ベル。

・Travelstar 40GN:記憶容量40Gバイト/30Gバイト/20Gバイト/10Gバイト,回転速度4200rpm,高さ9.5mm,重量99g/99g/95g/95g,記録密度340億ビット/平方インチのガラス製プラッタ(2枚/2枚/1枚/1枚),GMR記録ヘッド(4個/3個/2個/1個),非動作時の耐衝撃性800G秒(1m秒),動作時の耐衝撃性200G秒(2m秒),平均待ち時間7.1m秒,平均シーク時間12m秒,ATA-5インタフェース,最大転送速度100Mバイト/秒,アイドル時の騒音2.4ベル/2.4ベル/2.1ベル/2.1ベル,動作時の騒音3.1ベル/3.1ベル/2.7ベル/2.7ベル。

 なお,Deskstar 120GXPの出荷開始は2001年11月。2002年に「NetVista」で採用する予定である。Travelstar 60GH/40GNは,すでに出荷している。

 TravelstarのEnhanced Availabilityモデルの出荷は,2001年末を予定する。

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