米AMDが米国時間11月5日に,デスクトップ・パソコン向けマイクロプロセサ「Athlon XP」の新製品「1900+」を発表した。「デジタル・メディアやオフィス・ソフトウエア,3次元(3D)ゲームといったアプリケーション利用において,競合社製品の性能を最大25%上まわる」(AMD社)という。

 Athlon XPのラインアップは1900+をはじめ,10月9日に発表した1.53GHz版「1800+」,1.47GHz版「1700+」,1.4GHz版「1600+」,1.33GHz版「1500+」がある。「XP」は米Microsoft社のWindows XP向けに最適化,高い性能を提供するとの意で命名したという。

 Athlon XPは「QuantiSpeed」と呼ぶ命令実行技術を使う。同時発行できる命令数は9命令。128Kバイトの1次キャッシュと256Kバイトの2次キャッシュを1チップに集積する。システム・バスのクロック周波数(FSB:front-side bus)は266MHz。0.18μmルールの半導体製造技術を使う。工場はドイツのドレスデンのFab 30。パッケージは「Socket A」。

 米MicronPCがAthlon XP 1900+を搭載したシステムをただちに発売する。米Compaq Computer,富士通,米Hewlett-Packardといった大手メーカーもAthlon XP搭載機を市場投入する予定だという。

 Athlon XP 1900+は1000個ロット時の価格が269ドル。詳細な情報はWWWサイトに掲載している。

 Athlon XPでは,製品の呼称に動作周波数を用いず,モデル番号を使う。「True Performance Initiative(TPI)」と呼ぶ,動作周波数に代わるマイクロプロセサの性能の測定基準を設ける取り組みを進めるという。

 ちなみにIntel社も2001年8月末に,「プロセサのスピードは重要。しかし,それだけでは不十分。コンピューティング業界が成長し,顧客の製品購入の基準も変化している」として,速度競争に代わる“新機軸"をベースとした技術開発を進めていくことを明らかにしている。具体的には,マイクロプロセサの動作周波数を高めるだけではなく,ユーザーの生産性やコンピュータ・エクスペリエンスの向上に向けた技術/製品開発を進めていくという。

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