米Sprintの地域通信部門Local Telecommunications Division(LTD)が米国時間11月5日に,同社のデジタル回線交換網をパケット交換網に移行する計画を明らかにした。2003年1月から変更を開始する。「米国の既存地域電話会社でデジタル回線交換網全体をパケット交換網に変更する企業は初めて」(Sprint社)という。

 パケット交換は,一つの電話回線で複数の通話やインターネット接続の共有が可能。例えば通話やデータのダウンロードが行われていないときに,同じネットワークを使って別のパケットを送信する。

 「Sprint社LTD部門は現在830万回線以上を扱っている。今後8年にわたりパケット交換ネットワークへ移行し,より競争力のある製品やサービスを提供する」(Sprint社LTD部門バイス・プレジデントのMike Fuller氏)。ATM(Asynchronous Transfer Mode),フレーム・リレー,DSL(digital subscriber line)といったデータ・サービスの提供を拡充するとしている。

 移行はClass 4とClass 5の部品を含むネットワーク全体を対象とし,SloA(subscriber line over ATM)技術を用いたパケット交換向けに変更する。三つの個別ネットワークを一つに統合し,音声,データ,私設回線サービスを提供できるようにする。

 カナダのNortel Networksがネットワーク移行のフェーズ1における製品とサービスを提供する。回線装置の取り外し,新たなパケット装置の設置とテスト,機能の始動を担当する。フェーズ1では360万回線を変更する。2003年1月に開始し,2006年7月に完了する予定である。

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