米Microsoftと米IBMが米国時間11月1日に,共同で策定したWebサービスに関する仕様「Web Services Inspection(WS-Inspection)」を発表した。アプリケーションがWWWサーバーにあるXML形式のWebサービスを検出する手法を定義する。

 WS-Inspectionは両社が参加する企業間ECの標準化団体Universal Description, Discovery and Integration(UDDI)のディレクトリ技術を補完する。UDDIレジストリのリストに載っていないWWWサイトにある利用可能なサービスの検出を簡素化する。WS-InspectionはMicrosoft社の「SOAP Discovery」技術をベースにしており,同社の統合開発環境「Visual Studio .NET」に組み込まれる。Microsoft社とIBM社はWS-Inspectionを標準化団体に提出する予定である。

 WS-Inspectionの主な内容は以下の通り。

・Webサービス向け言語「Web Services Description Language(WSDL)」形式のドキュメントや他の言語で記述したサービスを検出および収集する標準手法。検出したWebサービスはWWWサーバーで閲覧できる。

・XML Webサービス・プロバイダが関連サービスの記述をグループ化するための機能。サービスを探す側が特定のサービスに関連する記述を検出できるようになる。

・XML Webサービスと,HTMLなど他の形式のコンテンツとを相互に関連づける手法。

 WS-Inspectionは,Visual Studio .NETまたはIBM社製ツールキットの「Web Services ToolKit (WSTK) 2.4.1」を使って実装することが可能。WSTKはIBM社のalphaWorksサイトからダウンロードできる。WS-Inspectionに関する詳細な情報はIBM社のdeveloperWorks Web Servicesサイトに掲載している。Visual Studio .NET向けのWS-Inspection機能はMicrosoft社のDeveloper Networkサイトからダウンロードできる。

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