米Adobe Systemsが米国時間10月30日に,印刷物の発注や原稿提出をインターネット経由で行えるようにするSDK(software development kit)「PDF Transit」を発表した。

 PDF Transitは印刷業者や企業内の印刷センター向け。原稿受け取りの簡素化や業務管理などのサービスを提供するもの。PDF(Portable Document Format)とJDF(Job Definition Format)ベースのワークフローを実現する。

 「これまでは原稿を物理的に届ける必要があるなど,印刷業者とのやりとりには時間がかかっていた。また間違いも起こりやすく,コスト高だった。PDF Transitはこれらのプロセスを再定義し,顧客と業者のコストを削減する」(Adobe社Internet Printing Group副社長のGeorge Cacioppo氏)。

 顧客は自分の使っているアプリケーションで「印刷」コマンドを実行し,印刷ダイアログボックスから所望の「印刷サービス」を選択する。その後「OK」を選択すれば,印刷準備が整ったPDFファイルが作成され,確認などが行える。これを業者にインターネット経由で提出する。またブラウザーが自動的に印刷業者のWWWサーバーに接続し,仕上げや料金オプションなど注文に関する情報も提供する。

 米メディア(InfoWorld)の報道では,PDF Transitを導入する印刷業者ではWindows 2000ベースのサーバーが必要となる。顧客側ではクライアント・アプリケーションをインストールすればよい。

 なおAdobe社によれば,高速出力サービスを手がける米AlphaGraphics社やドキュメント・サービスの米IKON Office SolutionsがPDF Transitを採用するという。

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