米Gartnerが米国時間10月25日に,「消費者の『Windows XP Home』導入は急速に進むが,企業向け市場では『Windows 2000』が2002年の主要OSとなる」とする予測を発表した。同社の一部門であるDataquest社の調査結果をもとに分析したもの。

 消費者市場では,2002年に出荷されるWindowsパソコンの87%がWindows XP Homeを搭載する。しかし企業向け市場では「Windows XP Professional」の割合はWindowsパソコンの16%にとどまり,Windows 2000が41%を占める。

 「安定性に関していえば,Windows XP Homeは『Windows 98』『同98 SE』『同Windows Me』と比べて大幅に進化している。しかしWindows XP Professionalは,Windows 2000プロフェッショナルから大きく変わったわけではない。大半の企業はWindows 2000からWindows XPにアップグレードしても,ROI(投資回収)をほとんど見込めない。購入して1年未満のパソコンなら,決してアップグレードするべきではない」(Gartner社調査ディレクタのMichael Silver氏)。

 多くのパソコン・メーカーは,Windows XPが2001年第4四半期のパソコン販売を盛り上げると期待している。しかしDataquest社の調査によると,2001年第4四半期の世界パソコン出荷台数は,前年同期と比べて13%減少する見込みだ。

 「Windows XPの発売はパソコン販売に控えめな影響しか与えないだろう。多くの買い換えは,古いシステムの寿命が尽きてから行われる」(Dataquest社Computing Platforms Worldwideグループ部門バイス・プレジデントのCharles Smulders氏)。

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