米IBMが米国時間10月24日に,企業向けの新しいセキュリティ管理ソフトウエアを発表した。同社は,Tivoliソフトウエア製品に,新たにエンド・ツー・エンド認証管理機能,企業間eコマース・システム間で安全にアクセスするためのソフトウエア,システムの潜在的なセキュリティ・リスクを軽減するソフトウエアを追加した。

 今回発表したソフトウエアは次の3製品。

・「Tivoli Identity Director」新しい認証管理ソフトウエア
 従来のeビジネス・アプリケーションを通して,ユーザー情報の管理と新しいユーザーへのサービス提供を行う。これにより,異なるシステムやアプリケーション間での,ユーザー情報の管理に関するプロセスの集中管理,自動化,簡略化が可能となる。組み込まれたワークフロー・エンジンを通して,WWWセルフサービス・オプションを提供する。

 また「Tivoli Policy Director」との相互運用により,セキュリティ・ポリシーを変更することなく,ユーザーにアプリケーションへのアクセス権を割り当てられる。

・「Tivoli Intrusion Manager」脆弱性管理ソフト
 中規模eビジネス向けの新しい脆弱性管理ソフト。中央の管理コンソールから,サードパーティ製のアプリケーション,サーバー,ネットワーク・デバイス,オペレーティング・システムへの攻撃,侵入の兆候,露出を監視して,リスクとセキュリティの脆弱性を低減させる。
 サードパーティ製のWWW侵入検出システム,ネットワーク侵入検出システム,IBM DB2 Universal Databaseとの組み合わせにより,データ収集,分析,問題解消を一元管理し,安全を確保する。

・「Tivoli Policy Director」強化されたセキュア・アクセス管理ソフト
 企業が,幅広い企業eコマース・システムのアプリケーションを通じてアクセスの安全を確保し,セキュリティ・ポリシーを管理できるようにする。拡張したWWWシングル・サイン・オンやポータルの認証をサポートし,顧客やサプライヤ,パートナー,従業員などがCRMやアプリケーション・サーバーなどのeコマース・システムに安全にアクセスできるようにする。

 なお,米調査会社のIDCは,セキュリティ認証/認定/管理(3A:authentication/authorization/administration)ソフトウエアは,ファイアウオール,アンチウイルス・ソフトウエア,暗号化ソフトなどのセキュリティ・ソフトと比較して,急速に成長しているとの調査結果を明らかにしている。同社は,この市場が2000年の28億ドルから年間成長率28%で2005年までに95億ドルに成長すると予測している。

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