米Forrester Researchが米国時間10月24日に,米国におけるIT分野の今後の動向を調査・分析した結果を発表した。不況は2002年第3四半期に終わりを告げ,2003年には上昇気流に乗る。しかし2桁成長が実現するのは,2004年以降になるという。

 「2000年におけるIT支出の12%(約620億ドル)は過剰だった。過剰に購入された技術が今後2年間はだぶつき,IT分野の回復を遅らせる」(Forrester社グループ・ディレクタのBruce Temkin氏)。

 企業が2000年に散財したことが災いし,IT支出は2002年まで横這いが続く。2002年におけるIT分野の成長率はわずか2.2%で,第3四半期に回復の兆しがあらわれる。その後,抑制されていた支出と経済に勢いが戻り,2003年のIT支出は9.7%の伸びをみせる。

 2004年には低価格パソコンと広帯域接続の普及に伴い,新世代のデバイス,アプリケーション,無線常時接続サービスが市場に登場する。また経済が好転することで,IT分野は約12%の成長をみせる。

 景気の低迷にも関わらず,インターネットに対する投資が米国の生産力を高めると,Forrester社は指摘する。今後はサプライ・チェーン・プランニングや電子調達といったアプリケーションが主流になるためである。一方,ハードウエア・メーカーは低価格化を強いられ,大手企業は苦境に陥るとみる。

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