米Amazon.comが米国時間10月23日に,2001年第3四半期の決算を発表した。売上高は6億3900万ドルで,前年同期の6億3800万ドルと比べてほぼ横這い。pro formaベースの純損失は5800万ドル(1株当たり損失は0.16ドル)で前年同期の純損失8900万ドル(同0.25ドル)に比べて35%改善した。

 一時的な費用を除いた営業損失(pro formaベース)は2700万ドル(売上高に占める割合は4%)。前年同期の営業損失6800万ドル(同11%)から60%改善している。pro formaは,企業の買収費用やのれん代などを費用から除外して算出する「条件付き業績値」。条件によっては最終損益が赤字なのにpro formaでは黒字になったり,赤字幅が実際よりも少なく見えたりする。

 会計原則(GAAP)に基づく収支は1億7000万ドルの損失(1株当たり損失は0.46ドル)を計上。前年同期におけるGAAPベースの収支は2億4100万ドル(同0.68ドル)の赤字だったので29%改善したことになる。

 「業績予測通りの決算報告をできて嬉しく思う。第4四半期はpro formaベースの営業黒字を報告できると考えている」(Amazon.com社CFOのWarren Jenson氏)。

 このほか地域/部門別の業績などは以下の通り。

・米国の小売り/サービス部門を合わせたpro formaベースの営業利益は100万ドル。若干ではあるものの2期連続して黒字となった。
 
・米国の書籍,音楽,DVD/ビデオ部門は6期連続して黒字となった。

・米国外サイトからの売り上げが1億3800万ドルで,前年同期の8800万ドルに比べ58%増加した。

・全世界の新規顧客の数は290万人。このうち米国外は100万人。

 なお同社は2001年第4四半期の業績予測についても明らかにした。売上高は9億7000万~10億7000万ドルを見込んでおり,これは前年同期の売上高に比べ横這いから10%増の範囲という。またpro formaベースの営業黒字を見込んでいる。粗利率は22%~25%。

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