電子機器製造請負(EMS:Electronics Manufacturing Service)最大手の米SolectronとNECが日本時間10月23日に,製造に関する提携で基本合意に達したことを明らかにした。NECは,サーバーやワークステーション,ストレージ製品の開発・製造を担当してきたNEC子会社の茨城日本電気(NEC茨城)の製造部門をソレクトロン社に譲渡する。

 NECがサーバ,ワークステーションなどの製造部門を対象に新会社を設立し,Solectron社は同新会社のすべての株式を購入して事業を引き継ぐ。約500名の従業員が含まれる。Solectron社はそこで,受注生産や注文生産,最終テスト,フルフィルメント・サービスを行う。NEC茨城の売上高(2001年3月期)は315億円で,従業員は650人である。

 Solectron社は,茨城工場の現行製品を継続して生産し,NECに供給する。契約期間は複数年。またSolectron社は,NEC茨城の生産フロアをNECからリースする予定である。

 現在両社は細部の交渉に入っている。手続きの完了は,2002年第1四半期の予定。

 なおSolectron社が日本市場でメーカーから工場を買収するのは,これが2件目。2000年にはソニーから中新田と台湾のSony Industries Taiwanの生産事業を買収,ソニーのカーナビゲーションとリチウムイオン電池の生産を請け負っている。

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[NECの発表資料]
[Solectronの発表資料]