「世界のIT支出は急激に減少している」などとする調査結果を,米META Groupが米国時間10月23日に発表した。世界のIT支出,人材不足の問題,技術やプラットフォームのトレンドなどについて分析し,「Worldwide IT Trends & Benchmark Report」にまとめたもの。

 調査は,24の業界にわたる33カ国の企業のIT担当社員1万8000人以上を対象にアンケートを実施したもの。

 米国では,2002年のIT支出が2~5%減少する見込み。ちなみに2001年は8%増とみる。米国以外の企業による2002年のIT支出は横ばいとなる見通し。2001年は6%増と予測する。

 META Group社が実施した別の調査によると,CIOの半数が現在の経済状況に対処するために,すでに予算削減を実行しているという。しかし,WWWベースの技術(CRMや電子商取引など),データセンターの拡充,経営,インフラ開発へは引き続き投資している。

 技術トレンドをみると,HTML,JavaScript,Visual Basicといったプログラミング言語の人気が高まっている。C++やJavaもよく使われている。また,世界における開発の51%がWindows環境で行われている。

 米国IT従業員の就業時間は1年当たり2080時間で,米国以外では1992時間である。2001年に世界の企業がトレーニングに費やす時間は平均9.05日間で,2000年の平均8.44日間と比べて増加している。米国IT従業員の52%以上が学士以上の学位を所有しており,はじめて他の国より学歴レベルが上回った。

 米国での給与は2001年に9%増加する見込み。2000年は6.6%増だった。最も昇給率が高いのは,プロジェクト・リーダー,ビジネス・アナリストである。米国以外でのIT従業員の給与は昨年からわずかながら上昇している。米国の1人当たりの給与はコロンビアの3.5人分に相当する。

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