米InterTrustが米国時間10月18日に,米Microsoftとの係争をさらに拡大したことを明らかにした。InterTrust社はこれまでに4件の特許に関しMicrosoft社を提訴しているが,今回新たに3つの特許を加え,対象を合計7件に拡大した。

 新たに追加したのは,デジタル著作権管理技術やセキュリティ関連技術で,特許番号5,892,900(900特許),5,982,891(891特許),5,917,912特許(912特許)。「900特許がWindows XP,Office XPおよびその他のMicrosoft社製品で侵害されている。また.891特許と912特許が.NETで侵害されている」(InterTrust社)と主張している。

 この係争は,InterTrust社が2001年4月にMicrosoft社を提訴したことに端を発するもの(関連記事)。InterTrust社はMicrosoft社のWindows Media PlayerなどがInterTrust社の保有する特許を侵害しているとして,カリフォルニア州北地区連邦地裁に提訴した。さらに6月には,申請を行っていたデジタル・コンテンツ転送時の著作権保護技術に関する米国特許が成立(関連記事)したため,同社はただちにこれを訴訟対象に加えた(関連記事)。
 
 さらに7月にもデジタル情報の管理技術に関する特許(関連記事)および製品使用を許可するライセンス管理に関する特許を追加(関連記事)する申し立てを立て続けに行っており,提訴の対象を拡大していた。

 InterTrust社はMicrosoft社に対し,Microsoft社のデジタル著作権管理(DRM)技術を含む全ての製品の販売差し止めと損害賠償の支払いを求めている。InterTrust社はこれに含まれる製品として,.NET,Windows XP,Windows ME,Office XP,Visio2002,Windows Media Player,Microsoft Reader,Digital Asset Server,その他のMicrosoft社のアプリケーション,サーバー,OS製品としている。

 同日付けウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)によれば,InterTrust社が求めている損害賠償額は数十億ドル規模。ちなみに,InterTrust社の法律顧問で知的財産権担当上級副社長のDouglas Derwin氏は,かつて米AMD(Advanced Micro Deviced)やNECの担当顧問として米Intelとも係争の経験がある。

 InterTrust社はこれまでに22件の米国特許を取得しており,さらに80以上を申請中である。

 なお,Microsoft社は今回の提訴に関し,コメントを発表していない。これまでのInterTrust社による提訴に対してはすべて反訴しており,自社のソフトウエアのダウンロードに関する2件の特許が侵害されているとしてInterTrust社を訴えている。

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