米Accentureがフランスで現地時間10月16日に,「世界的な景気後退にも関わらず,電子商取引(EC)への投資は継続している」などとする調査結果を発表した。上級管理者の75%が,電子商取引への支出を今後12カ月間にわたって平均15%増やす意思を持ち,また50%は3年以内に無線での電子商取引に大きな期待を抱いているという。

 調査は欧州およびアジアの25カ国と米国から選んだ800名以上の重役クラス管理者を対象に,2001年6月から7月にかけて面接形式で行った。

 米国では,管理者の57%が電子商取引に対する取り組みが成功していると答え,45%は実際に金銭的な恩恵を得ているという。62%の企業が業務関係の売買にインターネットを利用し,73%は購入時の補助的手段として使用している。そして,57%は人事部門で使っている。

 また欧州の管理者は,新しい形態での電子商取引を近い将来展開しようと計画している。50%が無線での電子商取引を検討し,32%が音声技術を,29%が3年以内に動画技術を利用しようと考えているという。

 無線を利用した商品へのタグ付けや追跡,モニタリングなどを行う動きも目立ってくるという。管理者の83%が,こういった新技術が従来の有線電子商取引よりもさまざまな機会を広げてくれることになると期待している。「ユビキタス(ubiquitous),もしくはuコマースと呼ぶべき概念により,いつでも,どこでも商取引を行えるようになるだろう」(Accenture社)。

 電子商取引導入に関する欧州と米国の時間的な差は,12カ月に縮まったという。しかし欧州の管理者は,欧州が新しい形態の電子商取引をリードしていく能力に欠けていると考えている。ほとんどの管理者は,欧州が3年後に無線での電子商取引を牽引していると予想している。同時にそれ以外の動画,音声,ユビキタスにおいては,従来の電子商取引と同様に米国がリードするとみている。

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