米Cahners In-Statが米国時間10月17日に,「米国経済の先行きが不透明なため,2001年の米国企業のIT支出は2000年に比べて12%以上減少する」との予測を発表した。

 企業全体のIT支出はこの10年間で初めて低下することになる。また同時多発テロの影響でさらに投資が減少するとIDCはみる。経営破綻の増加が予測される小規模な企業(フルタイムの従業員が100名未満)部門でその傾向が特に強いという。

 「多くの企業が2000年にIT製品とサービスに過剰投資した反動で,2001年の需要は低下していた。これはテロ発生以前から企業のIT支出を低下させる原因だった」(In-Stat社のeBusiness Infrastructure & Servicesリサーチ・ディレクタのKneko Burney氏)。

 テロ発生から1カ月が経過したが,この先数カ月はその後遺症と不安定な経済によりIT投資は凍結され,2002年に入ってからも引き続き経済とIT支出に悪影響を与えるとIn-Statは予測する。

 その他の主な調査結果は次の通り(この予測では,同時多発テロの影響は考慮されていない)。

・企業がIT投資を縮小するなかで,通信サービス,ネットワーキングの分野とアプリケーション・インテグレーションとホスティングなどの外部サービスの分野は影響が小さい。

・企業の規模によるIT支出(製品,サービス,人件費)の推定は次の通り:
- 大企業(フルタイム従業員が1000名以上): 2001年は1900万ドルで前年比18%減
- 中規模企業(フルタイム従業員が100~999名): 2001年は84万6000ドルで前年比13%減
- 小規模企業(フルタイム従業員が5~99名): 2001年は7万ドルで前年比17%減
- SOHOビジネス(フルタイム従業員が4名以下): 2001年は6千ドルで前年比27%減

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