米Gartner Dataquestが米国時間10月17日に,「米国企業の65%が2002年にCRM(Customer Relationship Management)を導入する計画である」との調査結果を発表した。

 調査はDataquest社が米国の大企業および中企業を対象に実施,回答を得たもの。

 「景気の悪化からプロジェクトの延期や規模縮小などが目立っているが,トップブランドのCRMスイートの導入,大手コンサルティングやシステム・インテグレーション・サービスの利用に影響はなく,企業は今後も引き続き予算を確保していくとみられる」(Dataquest社シニア・アナリストのDebashish Sinha氏)。

 企業は社内のシステム部門の代わりに,外部のサービス・プロバイダを利用する傾向が高まっており,サービス・プロバイダにとっては長期にわたる売り上げを確保するチャンスとDataquest社は指摘する。CRMサービス市場では,大手コンサルティング企業やシステム・インテグレータが好位置につけており,2003年以降も引き続きシェアを維持していくという。

 Dataquest社はCRM導入に関する主な課題として,部署間の調整を挙げている。全社的な導入計画に加え,各部署の業務に応じたソリューションが必要となる。そこで,サービス・プロバイダも2層構造とし,大手プロバイダと比較的小規模のプロバイダを使うべきであるとしている。

 大手プロバイダには全社的なIT戦略や事業戦略に注力させ,CRMソリューションの全体的な取り組み,部署間の調整,効果の測定などを委託する。一方の小規模プロバイダには,部署レベルでのCRM導入を任せる。コスト面でも効率が高い。

 「部署間の調整がうまくいかない企業は,個々のグループにおけるニーズを洗い出し,トップダウンやボトムアップの方法で取り組むこと。個々のプロジェクトに関しては規模の小さな認定サービス・プロバイダのマスター・リストをチェックすべき」(Sinha氏)。

 なおGartner社は10月3日(米国時間)に,「IT管理者が関心をもつ技術のトップ5:首位はCRM」との調査結果を発表している。米Frost & Sullivanも10月1日に,「景気後退のなかでもCRMは確実に成長する」との分析を発表している。

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