WWW技術の標準化機関W3C(World Wide Web Consortium)が米国時間10月16日に,XMLのスタイルシート言語「XSL(Extensible Stylesheet Language)1.0」を勧告として公開した。XSL 1.0は1998年にドラフトとして,2000年11月には勧告候補として公開されていた。

 XSLは当初,XML文書の構造変換を行う「XSLT(XSL Transformations)」をその仕様の一部に含んでいたが,その後XSLTはXSLから切り離され1999年11月にW3C勧告として公開された。

 XSLTがXML文書の構造変換を行うのに対し,XSLはスタイル情報を付加する役割をもつ。またXSLはページの概念をもち,各ページに共通する脚注,ヘッダ,段組などを「XSL-FO(formatting objects)」として定義できる。

 XSLTと連携し複雑な文書の組版が可能となる。例えば目次や相互参照,索引などの自動生成など元の構造を大きく変更することが可能である。

 「XSLはページ媒体における組版に特化しており,高度な印刷機能をXML文書に適用できる」(W3C)。

 なおCSS(Cascading Style Sheet)との関係について,W3Cでは「XSLT 1.0はCSSを補完するもの」と説明している。これまでXSLとCSSのワーキング・グループが協力して作業しており,「XSLがCSSの属性やフォーマット・モデルを利用するなど,両者には完全な互換性と相互運用性ある」(W3C)とする。

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