米Cisco Systems,米Intel,米Microsoftなどは米国時間10月15日に,音声処理向け拡張タグ「SALT(Speech Application Language Tags)」の標準化を進める業界団体「SALT Forum」を立ち上げたことを明らかにした。

 WebサービスやWebアプリケーションで,キーボード入力や画像出力と同じように,音声を入出力のメディアとして扱えるようにする。立ち上げには3社のほか,米Comverseや蘭Philips Electronicsの一部門であるPhilips Speech Processing,米SpeechWorks Internationalが参加した。

 SALTは,HTML,xHTML,XMLといった既存のマークアップ言語を拡張するもの。これらのマークアップ言語に対応するアプリケーションやWebサービスで,マルチモーダル環境を実現させるという。

 マルチモーダルとは,複数のユーザー・インタフェースを備えること。音声による入力や,キーボード,キーパッド,マウス,スタイラス・ペンなどを使った入力が同時に行えることであり,出力では合成音声やオーディオ(録音済みファイル)の再生に加え,テキスト,動画,画像などの画面による視覚的表示の両方に対応する。

 ユーザーは,パソコンや電話機,Tablet PC,無線対応のPDA(personal digital assistant)など様々な機器を使って複数の入力/出力方法を選べるようになり,また同時利用することも可能になる。

 開発者にとっては,なじみのある言語/技術/ツールキットを使って既存のHTML,xHTML,XMLページに音声機能をシームレスに追加することができるメリットがあるという。

 企業にとっては,WWWベースのアプリケーションを様々なプレゼンテーション・メディアで提供できるようになり複雑性の解消やコスト削減が見込める。これまでWWWに投じてきた資源や技術を有効に活用し,「それぞれの出力に応じた個別のアプリケーションを作成する必要がなくなる」(SALT Forum)。

 SALT Forumはオープンな業界の取り組みとして活動する。なお仕様の公開は2002年第1四半期を見込む。標準化団体への仕様提出は2002年半ばを予定する。

 なおSALT Forumは,米Motorola,米AT&T,米Lucent Technoligies,米IBMが設立メンバーとなっているVoiceXML Forumとの関連性については明らかにしていない。

 ちなみにSALT Forumの共同設立メンバーであるCisco社,Comverse社,Intel社,Philips社,SpeechWorks社はVoiceXML Forumのメンバーでもある。Microsoft社はVoiceXML Forumに参加していない。

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