米Advanced Micro Devices(AMD)が米国時間10月15日,1.53GHz動作の「Athlon MP」など3製品を発表した。Athlon MPは,サーバー/ワークステーション向けx86プロセサである。

 AMD社が発表したのは,1.53GHz版の「1800+」,1.40GHz版の「1600+」,1.33GHz版の「1500+」。いずれも世界市場で同日提供を始めた。米国における1000個ロット時の単価は,1800+から順に,302ドル,210ドル,180ドル。

 AMD社は10月10日(米国時間)に,デスクトップ・パソコン向けの新x86「Athlon XP」を発表しており,その際にマイクロプロセサの呼称に動作周波数を用いず,「1800+」などのモデル番号を使う方針について明らかにしている。今回もこれを踏襲した。「動作周波数はもはや“イコール性能比”にはならない」(AMD社)。

 AMD社が発表したベンチマーク結果によれば,1.53GHz版のAthlon MP 1800+を2個搭載したワークステーションは,1.7GHz版Xeonプロセサを2個搭載した同等構成のマシンと比べ,性能が23%高いという。

 Athlon MPプロセサは,シングル・プロセサあるいは2ウエイ構成のサーバーやワークステーションに向ける。「Smart MP」と呼ぶマイクロプロセサとチップセット,メモリ・システム間のデータ転送を効率化する技術を組み込んでいる。チップセットは「AMD-760 MP」。

 760 MはDDR SDRAMを主記憶として使う。760チップセットは,システム・コントローラ(northbridge)「762」と周辺バス・コントローラ(southbridge)「766」から成る。762は949ピンのプラスチックBGAに封止する。766のパッケージは272ピンのBGA。

 キャッシュ・コヒーレンシは,Modified Owner Exclusive Shared Invalid (MOESI)プロトコルで保つ。システム・バスのクロック周波数(FSB:front-side bus)は266MHz。バスのスループットは最大2.1Gビット/秒。

 0.18μmルールのCMOS技術で製造する。銅配線を使う。製造拠点はドイツのドレスデン。パッケージは「Socket A」。

 マルチメディア命令セット「3DNow! Professional」には52種類の命令を新たに追加した。写真やビデオ,オーディオの編集など,デジタル・メディアのアプリケーションでの3次元処理性能を高めている。

Athlon MPのシステム構成

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