米RSA Securityが米国時間10月11日に,2001年第3四半期の決算を発表するとともに,従業員削減や事業縮小などのリストラ策について明らかにした。

 2001年第3四半期の売上高は6260万ドルで前年同期の7200万ドルに比べ減収となった。RSA Capital事業も含めた業績では,純損失が1550万ドル(希薄化後の1株当たり純損失は0.28ドル)で,前年同期の純利益4000万ドル(希薄化後の1株当たり純利益0.62ドル)から赤字に転落した。これには,投資活動による税引き前利益740万ドル,RSA Capital事業における350万ドルの費用,リストラや買収などの活動における非現金費用1820万ドルが含まれている。

 主要事業による純損失は540万ドル(希薄化後の1株当たり純損失0.10ドル)。前年同期の純利益は1020万ドル(希薄化後の1株当たり純利益0.16ドル)だった。

 なお同社は前期の決算で,8080万ドルという過去最高の売上高を報告していた。「世界経済の減速と同時多発テロの余波が第3四半期の業績に著しく影響を及ぼした」と同社CEO兼社長のArt Coviello氏は説明する。

 同社は今後の見通しについても明らかにした。詳細は以下の通りである。

・売上高:
 2001年第4四半期は6300万~6500万ドル
 2002年通年では2億8500万~ 2億9500万ドル。

・RSA Capital事業を含めた1株当たり純利益/純損失:
 2001年第4四半期は純損失,0.15~0.17ドル
 2002年通年では純利益,0.25~0.34ドル

・主要事業による1株当たり純利益
 2001年第4四半期はゼロ~0.02ドル
 2002年通年では0.25~0.34ドル

 同社はこれらの業績目標を達成するため次のリストラ策を計画しているという。

 ・従業員の最大15%削減
 ・自由裁量プログラムにおける費用削減
 ・RSA Capital事業の縮小。同事業にはNEST(New and Emerging Security Technologies)部門とRSA Venturesファンドがあるが,NESTを今後3四半期で主要事業に統合していく。RSA Venturesは投資活動を一時中断する。
 ・米国のすべての定額給従業員を対象に給与の10%削減を実施する。

 同社はこれらリストラ策により,2001年第4四半期に1000万~1100万ドルの費用を計上する予定である。

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