米Motorolaが米国時間10月9日に,2001年第3四半期の決算を発表した。売上高は74億ドルで,前年同期の95億ドルから22%減収。一時的な費用を含めた損失は1億5300万ドル(1株当たり損失は7セント)。前年同期は6億4300万ドルの利益(1株当たり利益は28セント)を計上していた。

 「携帯電話機事業が黒字に転じ,前年同期と比べてシェアを拡大した。また一時的な費用を除いた営業損失は前期と比べて減少した」(Motorola社社長兼COOのRobert L. Growney氏)。

 部門別の主な業績内容は以下の通り。

■Personal Communications Segment

 売上高は前年同期比16%減の27億ドル。受注額は30億ドルで12%減少。営業利益は前年同期の1億8900万ドルから1900万ドルへと激減した。サービス・プロバイダによる携帯電話機の需要が世界的に減少したことが要因としている。携帯電話機の市場シェアは,前年同期から約2ポイント上がって17~18%。

 前期と比べると,売上高は8%増加し,受注額は3%増加した。

 第3四半期におけるGPRS携帯電話機の出荷台数は推定150万台。2001年末までに500万台を出荷する見込みである。

■Global Telecom Solutions Segment

 売上高は前年同期比10%減の18億ドル。受注額は13%減少し,16億ドルとなった。営業利益は前年同期の2億4700万ドルから3300万ドルに激減した。サービス・プロバイダによる無線インフラ装置への需要が世界中で低下し,売上高が減少した。また,製造コストが増加した。

■Commercial, Government and Industrial Systems Segment

 売上高は前年同期比10%減の10億ドル。受注額は17%減の10億ドルとなった。営業利益は前年同期の1億2000万ドルから8700万ドルに減少した。

■Broadband Communications Segment

 売上高と受注額は前年同期と比べて31%減少し,それぞれ6億3700万ドルと6億4700万ドルとなった。営業利益は前年同期の1億6000万ドルから1億2000万ドルに減少。

■Semiconductor Products Segment

 売上高は前年同期比48%減の11億ドル。受注額も49%も減少し11億ドルとなった。3億5500万ドルの営業損失を計上した。前年同期の営業利益は2億200万ドルだった。

■Integrated Electronic Systems Segment

 売上高と受注額は前年同期と比べて30%減少し,それぞれ5億1300万ドルと5億4500万ドルとなった。営業損失は1400万ドル。前年同期の営業利益は4700万ドルだった。

 「9月11日の同時多発テロ事件までは,2002年第1四半期もしくは第2四半期に世界経済が成長に転じるだろうと期待していた。しかし今では,世界経済が回復する時期を予測することは非常に困難だ。Motorola社は引き続き慎重に事業関連のコスト管理を行っていく」(Motorola社会長兼CEOのChristopher B. Galvin氏)。

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