Palm機に使われる手書き文字認識技術「Graffiti」を巡って米Xeroxと米Palm/米3Comが争っている訴訟で,巡回連邦高裁が下級審の判決を覆す判断を下した。Xerox社が米国時間10月8日に明らかにしたもの。

 この訴訟は1997年4月にXerox社が,後に米3Comに買収される米U.S. Roboticsを提訴したことに端を発している。Xerox社は,Palm機に使われている手書き文字認識技術がXerox社が1997年1月21日に取得した特許を侵害していると主張していた。「問題の技術は“Unistrokes”という商標で知られている。Xerox社のPalo Alto Research Center(PARC)で開発された」(Xerox社)。

 その後2000年6月に連邦地裁が,「Palm社のソフトエアはXerox社のソフトウエアとは異なる認識パターンを使用している」などとしてXerox社の訴えを退けていた。

 Xerox社によれば,連邦高裁は今回「連邦地裁判事は,認識に必要なシンボルを書く方法と場所について誤った解釈をしていた」として連邦地裁の判決を覆した。これにより訴訟はニューヨーク州ロチェスターの西地区連邦地裁に差し戻されることになる。

 「Palm社と3Com社はこれで二つのラウンドを失ったことになる。1997年に米国特許商標局はXerox社のUnistroke特許のすべてのクレームについてその有効性を認めている。そして今回高裁は地裁の事実認定を覆し,Palm機のGraffitiがXerox社特許のクレームの範囲内にあることを明確にした」(Xerox社弁護人代表のChristina Clayton氏)。

 なおXerox社が問題としている特許のタイトルは,「Unistrokes for computerized interpretation of handwriting」。米国特許番号は「5,596,656」。申請日は1995年10月26日。16のクレームから成る。

 この件に関しPalm社は同日,「控訴審は,Xerox社が要求した(重要な事実に関する争いがない場合に行われる)略式判決(summary judgement)を拒絶した。当社は,Graffitiが特許を侵害していないと確信する」(CEOのCarl Yankowski氏)とのコメントを発表した。

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