米Microsoftが米国時間10月8日に,個人ユーザー向けWWW通知機能「.NET Alerts」のプレビュー版を発表した。オークションや株式相場,旅行関連,銀行のトランザクションなどの情報を通知する機能である。
プレビュー版では,米eBay,自動車販売の米MSN Carpoint,ニュースの「CNBC MoneyCentral」(Microsoft社と米CNBCとの共同サイト)の三つのWWWサイトで.NET Alertsサービスが利用できるようにした。
ユーザーは所望のサービスを選択,カスタマイズなどの設定を行えば,パソコンや携帯情報端末(PDA),WWW対応携帯電話,ページャなどの端末でメッセージング「MSN Messenger」や電子メールによる通知サービスが受けられる。
.NET Alertsの主な機能や特徴は以下の通り。
・受け取りたい情報の内容を指定することで,不要な通知などを制御可能。
・パソコンへの通知機能では,ポップアップ・ウインドウが開いて音が鳴る。
・複数の端末への通知をどのようなルールで行うかを設定するintelligent routing機能を備える。
・プライバシ保護やセキュリティへの対応として,強度の高いMD5プロトコルの暗号技術を組み込んだほか,ユーザーのカスタマイズ情報の保管を「最低限」のレベルに抑える。「Microsoft社は.NET Alertsサービスに関するデータのマイニングやサード・パーティへの販売/共有を一切行わない」(Microsoft社)。
Windowsのほか,Mac OSでも利用可能。PDAはPocket PCのほか,Palm OSにも対応する。電子メール・ソフトはOutlookのほか,AOLメール,Lotus Notes,MCI Mailなどでも利用できるようにした。
これまでに以下の23社が.NET Alertsへの対応を表明している。
米Alibre(オンラインCAD/3Dデザイン), 米Bank One(銀行), 米Centerpost(メッセージング・ソリューション), 米Click Commerce(チャネル管理ソリューション), 米CNM Network(IPネットワーク・サービス), 米ComponentSource(コンポーネント・ソフトウエア/ツールのeマーケットプレイス運営), 米E*TRADE(株取引), 米Expedia(旅行関連), 米Groove Networks(ピア・ツー・ピア・ソリューション), 英Jessops(デジカメ・ショップ), 米Keen(情報サービス), 英lastminute.com(旅行/エンターテインメントの予約サービス), 米McAffe.com(ウイルス対策ソフト), 米MSN Carpoint(自動車販売), 米MSN Calendar(スケジュール帳管理), 米CNBC/MSN Money(ニュース), 米NASDAQ.com(株式情報), 英Tesco(ショッピング・センター), 米uBid(オークション), 英QXL.com, 英Virgin Entertainment Group(音楽), 米Verisign(インターネット/セキュリティ), youknowbest.com。
Microsoft社は10月22日からロサンゼルスで開催する開発者会議「Professional Developers Conference(PDC)にて,WWWサイトに.NET Alerts機能を組み込むための「.NET Alerts Developer Edition」を無償提供する。
.NET Alertsは,Microsoft社のユーザー向けカスタマイズ・サービス「.NET My Services」の一部として提供するもの。.NET My Serviceには,通知サービス「Alerts」のほか,文書の生データを管理する「.NET Documents」,支払い/トランザクションの設定を行う「.NET Wallet」,端末の設定を行う「.NET Devices」など14のサービスがある。WWWサイトでサービスのリストを公開している。
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