Intelのパッケージ技術米Intelが,新しい半導体パッケージング技術「Bumpless Build-Up Layer」(「BBUL」パッケージング)を開発した。同社が米国時間10月8日に明らかにしたもの。

 「現在の最高速プロセサの10倍で動作可能な,10億トランジスタ以上のマイクロプロセサを実現できる」(Intel社)という。

 現在のパッケージング技術では,マイクロプロセサのダイとパッケージを別々に製造した後,ダイをパッケージにボンディングしている。ハンダによる厚い接続部分(バンプ)がパッケージとダイとの間に数多く必要になるため,プロセサの動作周波数が高くなるにつれボンディング部分が高速化の障害になってしまう。

 それに対しBBULでは,シリコンの周囲にパッケージを“成長”させる。高速なデータ伝送が可能な銅線を使って,ダイをパッケージの異なるレイヤに直接接続する。「従来よりも低消費電力でありながら,より薄く,高パフォーマンスのマイクロプロセサを実現できる」(Intel社)という。

 Intel社は,今後5年から6年でBBULパッケージングを実用化できると見込んでいる。

 BBULパッケージングを利用することで,複数のLSIプロセサを小さな一つのパッケージに納めたマルチLSIプロセサの製造も可能になるという。また,LSIを直接銅線で接続することでLSI間のデータ通信が高速になるため,「システム・オン・パッケージの開発が容易になる」(Intel社)。

 なおIntel社は,BBULパッケージング技術の詳細について,カナダのモントリオールで10月9日に開催されるAdvanced Metalization Conferenceで発表する。

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