米Novellが米国時間10月1日に,米Microsoftの宣伝広告のなかに,Novell社の製品に関する虚偽の表現が含まれているとして,Microsoft社をユタ州ソルトレイク・シティの連邦地裁に提訴したことを明らかにした。

 Novell社は,Microsoft社に対し,虚偽表現を含む広告の差し止めと訂正広告の掲載,損害賠償を求めている。

 訴状によれば,Microsoft社は「Microsoft Server Crunch」というコーンフレークの箱に似せたボックス・タイプのマーケティング・ツールを配布しているが,このボックスにはNovell社の「NetWare 6」に関して,「事実に反し,誤解を招きかねない表現が数多く含まれている」(Novell社)という。NetWare 6はNovell社が10月中旬にリリースするNetWareの新版である

 具体的には,以下の表現について「事実に反する」と指摘している。

・"What's the expiration date on that NetWare platform?"
(NetWareプラットフォームの“賞味期限”は?)

・"As a result of the recent Cambridge Technology Partners merger, Novell is shifting its focus from software development to consultancy services."
(Novell社は最近コンサルティング会社の米Cambridge Technology Partnersを買収しています。つまり,Novell社はソフトウエア開発からコンサルティング・サービス事業へと軸足を移しつつあるのです。)

・"You're left with a server platform without the full support of its manufacturer. Which means increasing costs as it rapidly becomes obsolete, forcing you to implement time-consuming retrofits."
(メーカーのサポートが万全でなければ,ユーザーは放っておかれることになります。つまり,技術が瞬く間に陳腐化していくなかで,そのような製品の補強やアップグレードには非常に時間がかかるようになり,結局コスト増を招くことになるのです。)

 「Microsoft社はNetWareの命が長くないなどという虚偽の話をでっち上げ,当社の顧客を不安に陥れようとしている。また,当社の製品の検討中の企業などにも導入を思いとどまらせるよう仕向けている。こうした誤った解釈を含む表現は,比較広告の域を逸脱しているものであり,法律にも反している」(Novell社副社長のStewart Nelson氏)。

 「NetWareに“賞味期限”などあるわけがない。NetWareは当社の看板製品であり,今後も引き続き力を入れていく。NetWare 6.1の開発にもすでに着手している」(Novell社)。

 Novell社によれば,Microsoft社は2001年4月にも傘下に抱えるWWWサイト「MSN Money Central」に,米TheStreet.comが掲載した「Novell社はソフトウエア事業から撤退しコンサルティング・サービス事業に転換すると発表した」との記事を載せていた。この際には,Novell社の抗議によりMicrosoft社は当該記事を削除したという。

 Microsoft社は,マーケティング・キャンペーンとして,このボックスをNovell社の顧客に送付していた。Novell社の提訴により,Microsoft社は同キャンペーンを中止,ボックスを配布した企業に,「訂正」と題する文書を送付しているという。Novell社は英ロイターのインタビューに対し,「Microsoft社の対応には,『もう繰り返さない』という態度が感じられない」とコメントしている。

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