「『空港のセキュリティ強化のため,搭乗時におけるバイオメトリクス(生体認証)技術を使った指紋のチェックにも進んで協力する』との回答が82%に達した」。指紋認証技術のベンダーである米Identixが米国時間10月3日に調査結果を発表した。

 調査は,Identix社の委託を受け,米Harris Interactiveが実施したもの。9月21日から24日および9月26日から29日にかけて18歳以上の米国人を対象に質問,2024人から回答を得た。

 Identix社によれば,空港で行うセキュリティ・チェックについて,「指紋認証は極めて有効」「非常に有効」とした人が合わせて全体の73%にのぼった。「顔」の認証については,「極めて有効」「非常に有効」が合わせて28%だった。

 空港や旅客機のセキュリティを強化するために,「極めて有効」もしくは「非常に重要」である措置としては,「搭乗者の身元確認を徹底すること」が95%と最も多かった。そのほか,「搭乗者のパスポート,搭乗券,荷物の3点をリンクさせる」も91%にのぼった。

 航空会社の従業員,空港に勤務するスタッフ,関係者に対するものとしては,「犯罪歴がないか調査する」(90%),「コンピュータへのアクセスを制限する」(55%)などが挙がった。

 このほか「搭乗時に犯罪歴の有無をチェックするシステムを導入する」が52%だった。

 「政府や航空会社は,搭乗客や空港で働く従業員などの身元確認を強化するなどセキュリティを高める方針を打ち出しており,バイオメトリクス技術の重要性は今後著しく高まっていく」(米International Data Corporation(IDC)副社長のChris
Christiansen氏)としている。

 Identix社はHarris社がまとめた調査報告書の全文をWWWサイトで公開している。

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