米IBMが米国時間10月1日に,IDS(Informix Dynamic Server)の新版「9.3」の出荷をはじめることを明らかにした。

 IDSはIBM社が買収した米Informixのデータベース事業部門Informix Softwareの製品である。IBM社は,2001年4月24日にInformix Software社の買収を発表して以来,Informix Software社のデータベース製品を継続して販売する計画であることを強調してきた。また,Informix Software社の技術を「DB2 Universal Database」の将来版に組み込むという計画についても明らかにしていた。

 なおIBM社は同日,「DB2 Relational Connect」の発表も行った。DB2 Relational Connectは,DB2アプリケーションからIDS 9.3へのアクセスを可能にするソフトウエア。「DB2を操作しているかのようにIDSの機能やデータを利用できる」(同社)という。

 「IBM社は,IDSの将来的なサポートや強化を行っていく。同時にDB2 Relational Connectなどの製品を通して,IDSの顧客がDB2を利用できるようにしていく」(IBM Data Management Solutionsジェネラル・マネージャのJanet Perna氏)。

 IDS 9.3には,携帯電話ユーザーの位置情報を考慮したデータ抽出などを可能にする解析ツール「Spatial DataBlade 8.11」を組み込んだ。また「ServerStudio JE」「Dynamic Logs」「IBM/Informix System Administrator 」といった専用ツールをバンドルしており,システム・ダウンの時間や運用コストの削減を図る。このほか複数サイトやマシンへのデータ移動を可能にする「Advanced Enterprise Replication」などを備える。

 IDS 9.3は全世界で10月1日にリリースした。IDS 9.3に対応したDB2 Relational Connectは2001年第4四半期に利用可能になる。

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