ドメイン名やIPアドレスの管理を行っている非営利組織のICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が米国時間9月27日に,11月に開催予定の年次会議を当初の計画通り行うと発表した。2001年11月13~15日にカリフォルニア州マリーナ・デル・レイで開催する。

 ただし同時多発テロが起こったことから,会議のテーマを“ドメイン名/IPアドレス・システムのセキュリティと信頼性”へと変更する。「同時多発テロによって世界中の多くの機関が予定や優先順位の変更を余儀なくされている。しかし現在の状況を考慮するとICANNがこれらの問題についてを避けることはできない」(ICANNプレジデント兼CEOのM. Stuart Lynn氏)。

 また同氏は,「ドメイン名/IPアドレス・システムは緊急応答や,個人通信,情報共有,電子メール,インスタント・メッセージング,WWWなどを支えており,今回のテロによってシステムの信頼性やセキュリティの重要さが再確認された」と述べている。

 テロ発生後にICANNはメンバーに会議開催の是非について問い合わせを行ったという。その結果,予定通りに開催することに対する強い支持を得たという。

 なおICANNは,会議のテーマが変更されることで,現在進行中の重要な取り組みが遅れると説明している。

 会議では,ICANNの責任が及ぶサービスに対する潜在的脅威にどう対処するか,などの議論を予定する。また対策をいかに改善/進歩させるか,そのためにはどのような政策や活動が検討されなければならないかなどについて話し合う。

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