アウトソーシング・サービス(Business Process Outsourcing:BPO)の米Vsourceが米国時間9月26日に,米Gatewayのアジア太平洋地域の顧客に対し,独占的にサービスおよびサポートを提供することで,両社が了解覚書(Memorandum of Understanding:MOU)に調印したことを明らかにした。

 Gateway社は8月28日(米国時間)にアジア太平洋地域からの撤退を発表しており,同地域の事業を直ちに閉鎖した(関連記事)。今後Vsource社が同地域の顧客向けサービス事業を引き継ぐ。Gateway社がアジア太平洋で拠点を開設していたのは,日本,中国,韓国,香港,台湾,マレーシア,シンガポール,フィリピンオーストラリア,ニュージーランド,フィジーなど主要各国/地域。

 Vsource社は,Gateway社の顧客に対し,電話や電子メールによる技術サポートおよび顧客サポート,オンサイト・サービスを含む修理サービス,部品の供給,その他ロジスティックスなどを提供する。Vsource社によるサービスの提供は,2001年11月1日に開始の予定。契約期間は3年間。Vsource社広報によれば,「売上高は4000万ドル強を見込んでいるが,現時点でGateway社から同地域における事業の詳しい数字などについてまだ受け取っていない」という。

 なお,両社はVsource社が香港およびシンガポール市場でGateway社の製品/サービスを独占的に再販することで,すでに提携関係にあった。Vsource社は,Gateway社のアジア太平洋地域事業撤退に伴い,両地域における販売活動をすべて停止した。両社が結んでいた再販契約の解消に関しても,両社は了解覚書に調印した。

 Vsource社は,Gateway社のほか,米EMC,米Network Appliance,保険大手の米AIG,投資銀行大手の米Credit Suisse First Bostonなどを顧客に抱える。米国本社のほか,香港,シンガポール,マレーシア,日本の4カ所に海外拠点を持つ。日本の事業所は2001年前半に開設した。従業員数は「現在数人程度。今後Gateway社から引き継ぐサービス事業に応じて,増員していく」(Vsource社)。日本語のWWWサイトは開設していない。

 なお,Gateway社は,今後「米国事業に注力する」との戦略を打ち出しており,欧州における事業撤退も検討中である。

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