(2001.9.24,Martin J. Garvey=InformationWeek

 米Sun MicrosystemsがUNIXサーバーの新製品「Sun Fire 15K」(開発コード名は「Starcat」)を発表する。プロセサ数は最大106個まで拡張可能。1Tバイトのメモリ容量を装備し,最大5P(ペタ)バイトの外付けストレージ機器に対応する。既存のUNIXサーバーと比べて保守や管理機能の容易化を図ったという。

 Sun Fire 15Kは「Sun Fireplane」と呼ぶクロスバー・スイッチ型の接続技術を使う。複数のプロセサが同一のメモリとI/Oを共有するアーキテクチャの課題だったレイテンシを軽減する。

 E 10000で導入したワークロード管理「Domains」機能の向上を図った。E 10000では,ユーザーが事前にプログラムしたDomainsを動作中に変更することができなかった。Sun Fire 15Kの「Dynamic System Domains」では動作中でもパーティションを再構成できるようにした。またSolarisでは,システムを停止することなくソフトウエアの変更を行うことも可能。

 Sun社はSun Fire 15Kで,米IBMのメインフレーム「eServer zSeries」を利用するユーザーを取り込む狙いだ。5Tバイトのストレージ容量を備えた「SunTone Cluster Platform 15K/9960」のホスティング・アプリケーションを使って,zSeriesのデータをSun Fire 15Kに移行できるようにする。また,米Critical Pathから買収したメインフレーム・ホスティング事業を利用し,「OS/390」からSolarisへの移行を支援する。

 Sun Fire 15Kは2001年11月にリリースする。価格は141万ドル(16プロセサ搭載モデル)から1000万ドル(106プロセサ搭載モデル)。

 Sun社コンピュータ・システム部門執行副社長のJohn Shoemaker氏は,Sun Fire 15Kの利点として「Sun社の最も安価で最小構成のサーバー『3500』で動くソフトウエアとハードウエアをSun Fire 15Kでも利用することができる」と説明する。「単一のプラットフォームを提供する。例えばIBM社のサーバーは4種類もあり,米Hewlett-Packardの場合は米Compaq Computerと合併した際には10種類にもおよぶ」(同氏)。

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