「中国のWTO(世界貿易機構)加盟が11月に承認される見通しだが,中国市場へ投資を検討しているIT企業は,慎重を期す必要がある」。米Gartnerは米国時間9月24日,中国市場に関する調査結果を発表した。

 先進国でハイテク産業の成長を牽引するのは中小規模の企業だが,中国にはこれらの外国企業が安心して投資を行うことができる基盤が欠如している。「中国は,優秀な労働力と市場規模という点で魅力的だが,複雑きわまりない規制や官僚主義などの障害がある。政治と経済の自由化が進まない限り,外国企業による投資は活発に行われないだろう」(Gartner社リサーチ・ディレクタのFrench Caldwell氏)。

 米国や西欧のIT企業にとって,13億の人口を擁する中国市場は魅力的である。中国の経済は過去約25年間に年平均8%で成長しており,IT分野の製品やサービスに対する需要も高まっている。

 「中国ではインフラが整備されておらず,西側諸国のビジネス慣習に馴染みがないため,米国や西欧の企業は自社のeビジネスをそのまま適用することができない。中国政府は,経済に関する確固としたビジョンを持っているが,中国に投資する外国企業は,米国との地政学的なリスクなどにも注意を払うべきである」(Gartner社GartnerG2 Asia/Pacific部門リサーチ・ディレクタのLane Leskela氏)。

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