「売上高が横這い状態の製造請負サービス(CMS:contract manufacturing services=EMS:electronics manufacturing service))市場だが,今後数年でわずかながら上向く」。米IDCが米国時間9月24日に,CMS市場に関して調査した結果を発表した。

 2001年第2四半期における市場規模は220億ドルで,前年同期と比べて横這いだった。第3四半期は減速し200億ドルにとどまる見込み。しかし長期的な見通しは明るく,2005年には2300億ドルを超えるという。

 2001年第2四半期における首位企業は米Solectronで,売上高ベースのシェアは21%。米Flextronics InternationalとカナダのCelesticaのシェアはそれぞれ12%と10%だった。また,米SCI Systemsと米Sanminaの合併によりトップ5企業の顔ぶれに変化が起こる。

 CMS市場では多数の合併や買収,戦略的提携,パートナ契約が行われている。「CMS企業は無線や光などの特定分野に焦点を当て,景気回復の際により優位に立てるよう長期的計画を進めている」(IDC,Contract Manufacturing Servicesサービス部門プログラム・マネージャのKevin Kane氏)。

 IDCはCMS市場を成長に導く要素として,1)サービスの多様化,2)製品の多様化,3)社内システムの拡充を挙げている。

◎関連記事
世界のEMS市場,2005年には2倍の2310億ドル規模に,首位は米ソレクトロン
米ソレクトロンの6月~8月期決算は2億5030万ドルの赤字,回復は半年後
あの米ソレクトロンが8200人の人員削減,決算は85%増収,26%増益
米ソレクトロンが光ネットワーク機器の米Iphotonicsを買収
米ソレクトロンが米シスコの光部品製造施設を買収
ノキアがフィンランドと英国のネットワーク機器工場を米SCIに売却
エリクソンが携帯電話機製造からの撤退を正式発表,Flextronicsに製造委託へ
Nokiaが英国の修理/試験部門を,EMS大手のSCI Systemsに売却

[発表資料へ]