「米国家庭の多くは2本目以降の電話回線を,より高速で高価格な通信用回線などに移行している」。米GartnerのDataquestが米国時間9月19日に,米国家庭の電話回線に関する調査結果を発表したもの。

 6月の調査結果によると,全米で6%近くの世帯が2001年の1月以降に従来の音声電話回線を他の通信回線に変更しているという。

 Dataquest社アナリストのPeggy Schoener氏は,「2本目以降の電話回線を音声通話でなく,インターネット接続やファクスに使用している家庭が相当数に上った。無線通信が広まったことも音声通話用の電話回線の必要性を減少させた」と説明する。

 調査結果によると,1月以降に電話回線を変更した家庭の55%が高速な広帯域通信用回線に切り替えた。400万回線がダイヤルアップから高価格の広帯域インターネット接続になったことになる。音声電話回線から広帯域回線に変更した家庭の70%は,既存地域通信事業者(ILEC)の家庭用の高速サービスに変更したという。

 「DSL(デジタル加入者線)に変更する家庭が最も多いが,CATVや無線接続,高速接続プロバイダなどと競合することで,ILECの伸びが鈍化している」(Dataquest社)。

 また6430万の家庭が携帯電話を少なくとも1台所有している。これは全家庭の61%近くに相当し,16カ月前は50%だ。この6カ月間に電話回線を切り替えた全家庭の33%(230万家庭)が,携帯電話を選んだという。

 「無線業界のさまざまな割引サービスにより,電話回線よりもコストが安くつく場合がある」(Schoener氏)。

◎関連記事
「米国の広帯域利用は2005年に3110万世帯,CATVモデムが5割占める」と米ヤンキー
「家庭のネット人口はQ2に世界で4億5900万人,Q1から3000万人増」と米ニールセン
「米国の高速インターネット接続利用者は710万人」---FCCの調査
「ケーブル・モデム・サービスの加入者数は今後も急増,2005年には約8倍の5750万人に」---。米IDC
「CATV接続は技術やコスト面でDSLを上回る,市場は2006年までの5年間に3倍増へ」と米ABI
「北米の広帯域ユーザーは780万世帯,ケーブル・モデムが7割」と米調査
「2002年末までに無線インターネット・アクセスが有線を超える」IDC調査
「2005年にモバイル・データ通信ユーザが世界で10億人,デスクトップを超える」英ARC Group

[発表資料へ]