自動車業界向けインターネット取引所(eマーケットプレイス)を運営する米Covisintが米国時間9月11日に,新たなポータル・サービス「Covisint Industry Portal」を立ち上げることを明らかにした。

 「次世代の企業間取引に向けたインフラとして,顧客の要求にただちに対応できるような枠組みを提供する」(Covisint社,会長/CEO/社長のKevin W. English氏)。

 メンバー企業に,OEMやサプライヤの提案(アプリケーション),Covisintの独自提案などへのアクセスを可能にするほか,OEM - サプライヤ間およびサプライヤ企業間の連携機能などを提供する。

 Covisint Industry Portalの主要コンポーネントは以下のとおり。

1. メンバー企業に,OEMや提携企業との取引に向けたWWWベースの申請書を提供する。

2. メンバー企業に世界共通のIDを発行,自動車業界内の統一IDとして広く利用できるようにする。企業のIDを統一することで,セキュリティ面での向上やコスト削減が期待できる。

3. 自動車関連企業ディレクトリを拡充。サプライ・チェーンのデータ交換機能や同期化機能なども提供する。

 「すでに業界標準の策定が進んでおり,申請書の相互運用性を確保していく。サード・パーティのデータ・プロバイダなどを容易にソリューションに組み込めるようにする」(Covisint社)。

 Covisint社はCovisint Industry Portalの試験サービスを2001年末に始める計画である。一般企業向けの正式なサービスの開始は2002年前半を予定する。

 なお,Covisintは自動車のビッグスリーである米General Motors,DaimlerChrysler,Ford社の3社が共同で開設したeマーケットプレイス。米Commerce Oneや米Oracleの電子商取引向けソリューションをベースとしている。

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