米IBMが米国時間9月10日に,ミッドレンジUNIXサーバーの新製品「eServer p660 Model 6M1」を発表した。サービス・プロバイダ,大企業のデータ・センター,e-businessに向ける。OSはAIX 5L。

 p660 Model 6M1は動作周波数750MHzの「RS64 IV」プロセサを8個搭載する。OSは「AIX 5L」。「8ウエイのマシンで,米Sun Microsystemsの12プロセサ構成のUltraSPARCIIIマシンよりも高速で,33%安い」(IBM社)。

 IBM社のミッドレンジUNIXサーバーとしては初めて「Capacity Upgrade on Demand(CUoD)」方式を取り入れた。CUoDは,あらかじめユーザーが希望する仕様よりも多くのCPUを搭載したサーバーを提供するもの。未使用のCPUについては,トラフィックの増加などによって,より高い処理能力が必要になった場合に稼働させ,その時点ではじめて課金する仕組みである。CPUの追加はAIXのコマンド一つで可能。

 p660 Model 6M1は耐故障性を高めた。自己管理機能や自己修復機能を備え,システムの動作を監視し,トラブルの防止や修正を行う。「Dynamic Processor Deallocation」機能がAIXと連携し,問題が発生する可能性のあるプロセサのタスクを自動的に他のプロセサに割り当てる。

 また,IBM社がメインフレームに使用しているメモリ修正機能「Chipkill」を採用している。正常に動作しないメモリ・チップを利用しないように自動的に設定する技術である。「ECCに比べて,100倍も効果的」(IBM社)という。

 ちなみに,p660 Model 6M1のSPECjbb2000ベンチマークによるJava性能テストの結果は7万2437OPS(operations per second)。「『UltraSparcIII』プロセサ24個を搭載した米Sun Microsystemsの『Fire 6800』より15%処理能力が高く,米HP(Hewlett-Packard)の『HP 9000 N4000』(8ウエイ)を80%も上まわる」(IBM社)。

 SPECweb99ベンチマークによるWWW性能テストでは,8145件の同時接続に対応し,「UltraSparcIIIプロセサ24個を搭載したSun社製『Fire 4810』の93%に迫る性能である」(IBM社)という。

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