米Jupiter Media Metrixが米国時間9月10日に,「米国では表示が速いWWWサイトの方が顧客をつなぎ止めることができる」,などとする調査結果を発表した。米国の消費者は,リッチ・メディアや携帯電話向けコンテンツを提供するサイトよりも,軽快なサイトのリピータになる傾向にあるという。

 「企業は,パソコン以外の機器に向けた機能やリッチ・メディアのWWWサイト構築に多額を投じる前に,自社サイトのユーザーのニーズを知る必要がある」(同社)と指摘する。

 コンテンツ・サイト(ニュース・サイトや情報サイト)がより高速に表示されるならば,40%のネット・サーファーが今よりも頻繁にこれらサイトに訪れるという。また「リッチ・メディアが再訪問の動機になる」とした回答は20%だった。

 同社アナリストのCormac Foster氏は,「短期予算を最大限に活用するなら,企業は“魅惑的な”サイトの構築はやめた方がよい」と指摘する。「自社サイトを構築する前にまず調査を行うべき。なぜならユーザーはサイトによって千差万別だから」(同氏)。

 同社は重要なポイントとして以下を挙げる。

・コンテンツ・サイトでは,読み込み時間が速いことに加え,レイアウトのカスタム化が可能なサイトが好まれる。36%のネット・サーファーが,「もしカスタム化が可能ならば今より頻繁にサイトを訪れる」と答えている。また「意見の投票やチャットの機能があれば,それが再び訪れる動機になる」という回答が31%あった。「携帯電話などパソコン以外の機器向けにコンテンツを提供することが動機になる」としたのは15%だった。

・コンテンツ・サイトの教訓が小売りサイトにもそのまま通用する。小売りサイトを再び訪れる動機のトップは,「より多くの商品情報を提供すること」(59%が回答)である。次に「商品の推奨情報を提供すること」(28%)。「ページの読み込みが速いこと」(26%)は3番目である。「mコマースへの対応」は12%だった。

 調査はオンライン消費者を対象に2001年6月に行った。2194人の回答をまとめたものである。

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