米Jupiter Media Metrixが米国時間9月6日に,音声認識システムへの移行状況に関する調査結果を発表した。携帯電話機を使って自動サービスを利用する際に,ボタンを押して手続きを進めるタッチ・トーン方式よりも音声認識方式の方を好むユーザーは約40%だった。タッチ・トーン方式を好む携帯電話機ユーザーは16%。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・18才~34才の年齢層は55才以上の年齢層より音声認識サービスをよく利用する。約1800人の成人オンライン・ユーザーを対象に調査したところ,音声認識サービスを使って商品を購入したことのある18才~34才の回答者は18%。55才以上ではわずか7%だった。音声ダイヤル機能を利用している18才~34才の回答者は18%,55才以上では10%である。

・18才~34才の年齢層の音声認識サービス利用は多いが,好んで使っているわけではないようだ。携帯電話を所有する18才~34才の回答者のうち,音声認識システムの方を好むというユーザーは29%だけだった。一方,タッチ・トーン方式を好むユーザーは21%。55才以上の年齢層は音声認識サービスを利用することが少ないものの,一度使ったユーザーが音声認識サービスを好む傾向は他の年齢層より高い。

・短期的に最も音声認識技術が普及する分野は音声応答システムである。しかし,音声認識技術は2年以内にモバイル・データ・サービスの重要な要素となる,とJupiter社は予測する。

 企業はタッチ・トーン方式から音声認識方式への移行に焦る必要はない。しかし,法律で自動車内の携帯電話機利用にハンズ・フリー操作を義務づけていることから,携帯電話機からの通話を多く受けるホテル・チェーン,航空会社,チケット発行などの企業はタッチ・トーン方式に代わるシステムを導入するべきである。

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