英ARMが現地時間9月5日に,無線通信向けアプリケーション開発の新プラットフォーム「PrimeXsys」を発表した。ボストンで開催中の組み込みシステムの開発者会議「Embedded Systems Conference」にて明らかにしたもの。

 PrimeXsysは,新しい開発ツールを組み込み,複雑なアプリケーションでも迅速に開発できるように設計した。まず第1弾として,「ARM926EJ-S」マイクロプロセサ・コアをベースとした「PrimeXsys Wireless Platform」を投入する。第3世代(3G)の携帯電話機や携帯情報端末(PDA)のアプリケーション開発に向ける。Java対応拡張命令セット「Jazelle」を実装する(Jazelleに関する記事へ)。

 PrimeXsys Wireless Platformには,「ARM Primecell」,「ARM MOVE」,「AMBA」などを組み込んでいる(関連記事へ)。ARM Primecellは,ARMプロセサと組み合わせて使う周辺回路のIP(intellectual property)を提供するソフトマクロ(ソフトIP)。ARM MOVEはビデオの符号化やコントローラのためのコ・プロセサ。AMBAは,マルチ・レイヤAHBシステム・バスである。

 OSは,Windows CE,Linux,Plam OS,Symbian OS,などの主要OSに対応する。米Microsoft,米Lineo,米Palm,英Symbian,米Sun Microsystemsなどのベンダー企業と協力体制を敷いている。

 また,半導体ベンダーともアーキテクチャの定義などに関し,協力体制を敷いている。ARM社は伊仏合弁のSTMicroelectronicsに「PrimeXsys Wireless Platform」をライセンス供与することで契約を結んだことも明らかにした。

 PrimeXsys Wireless Platformのサンプルは2002年前半に登場する見込みである。

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