米Arbitronと米Edison Media Researchが米国時間9月5日に,米国におけるストリーミング・メディアの利用状況に関する調査結果を発表した。オーディオ・コンテンツ利用者の56%,ビデオ・コンテンツ利用者の49%が,過去12カ月間に初めてストリーミング・メディアを利用するようになったという。

 「ストリーミング・メディアの利用は急拡大しているが,ほとんどの視聴者が過去1年間に利用するようになったことからも,まだ黎明期にあることがわかる。業界は新たな消費者を獲得するために,この新しいメディアの素晴らしさを売り込むべきだ」(Arbitron,Webcast Services部門副社長兼ジェネラル・マネージャのBill Rose氏)。

 調査は米国の12歳以上の消費者を対象に行った。2001年7月にストリーミング・メディアにアクセスしたユーザーは,前年7月の6700万人(米国消費者の30%)から7800万人(同34%)へと,順調に伸びている。また過去1年間に1度でもオーディオ・コンテンツにアクセスしたことがあるユーザーは6700万人で,1度でもビデオ・コンテンツにアクセスしたことがあるユーザーは4100万人だった。

 オーディオ・コンテンツ利用者の27%が,小額の利用料を支払ってお気に入りのアーティストの楽曲を聞くことに強い関心を示している。またオーディオとビデオ・コンテンツの利用者は,いずれもオンライン・コンサートへの関心が強い。オンライン・コンサートにアクセスするために,小額の利用料を支払っても構わないと考えるユーザーは,オーディオ・コンテンツ利用者で24%,ビデオ・コンテンツ利用者で19%だった。

 スポーツ関連のコンテンツに需要があることが明らかになった。ストリーミング・メディア利用者のうち,小額の利用料を支払ってメジャーリーグの野球中継を聴くことに,「非常に」または「いくぶん」関心があるユーザーは18%だった。

 「ケーブル・テレビで見たいチャンネルのために料金を支払うのと同様,関心のあるコンテンツのためなら利用料を支払っても構わないと考える消費者がいる」(Edison Media Research社社長のLarry Rosin氏)。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・オンラインで過ごす時間が増えた代わりに,テレビや紙メディアに費やしていた時間が減少した。テレビを見る時間が減った回答者は33%,雑誌を読む時間が減った回答者は25%,新聞を読む時間が減った回答者は23%だった。またラジオを聴く時間が減ったと回答したユーザーは16%だった。

・お気に入りのオンライン・ラジオ番組が放送中止になった経験があるユーザーのうち,「非常に」または「いくぶん」がっかりしたユーザーは2/3だった。また過去1週間にインターネットでオーディオ・コンテンツにアクセスしたユーザーで,お気に入りのオンライン・ラジオ番組が放送中止になった場合,代わりの番組を探すと回答したユーザーは71%にのぼった。

・オーディオ・コンテンツ利用者のうち,オンデマンド・プログラミングが可能であり,コンテンツの検索が容易であれば利用時間が増えると回答したユーザーは約80%に達した。また通常のラジオのように使いやすいデバイスがあれば,利用時間が増えると回答したユーザーは約3/4だった。

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