米Microsoftが米国時間9月4日に,組み込みOS「Windows XP Embedded」のベータ2版をリリースしたことを明らかにした。Windowsベースの端末,住宅のゲートウエイ,小売店のPOS(point-of-sale)システム,セットトップ・ボックスといった機器に向ける。

 Microsoft社はWWWサイトで,「Windows XP Embedded Beta 2」で提供する新機能のリストを公開している。主な新機能は以下の通り。

【セキュリティ機能を拡張】
 Windows 2000で提供しているコードをベースに,「Encrypting File Systems(EFS)」「IP Security(IPSec)」「Windows File Protection(WFP)」のほか,セキュリティ・プロトコル「Kerberos」,認証サービスなどのセキュリティ機能を拡充した。またホット・スワッピング対応で,電源を切らずにCompactPCIシステムからボードを抜き差しできるようにした。

【Windows XP Professionalの新機能】
 「Internet Explorer 6.0」をはじめ,「Windows Media Player 8」「DirectX 8 API」「Digital Rights Management 8」などのアプリケーションや機能を搭載する。インタフェースはUSB,IEEE 1394,Universal Plug and Play(UPnP)に対応する。

【ネットワーク関連】
 IPv6,IrDA,UPnP,802.11,Terminal Server Client,VPN,L2TP,PPTPなどのプロトコルに対応する。ファイルやアプリケーション,ネットワークのリソースなどを遠隔制御する「Remote Desktop」機能などを備える。

【開発ツール】
 「Target Designer」「Component Designer」「Target Analyzer」「Database Manager」など。

 Windows XP Embedded Beta 2はCD-ROM版のみで,価格は手数料+送料7ドル95セント(米国のみ)。

 またMicrosoft社は,開発者向けの評価プログラムとして「Windows XP Embedded Technology Preview Program」を始めた。1万強にのぼるWindows XP Embeddedのコンポーネントの評価を行う。

 Microsoft社は同日,開発促進プログラム「Windows XP Embedded Rapid Development Program」にWincor Nixdorf,Retalixの2社が参加したことも明らかにした。同プログラムにはOEM,システム・インテグレータ,半導体ベンダーなどが参加しており,Bally Gaming and Systems社,独Fujitsu Siemens Computers,米National Semiconductor,米SCM Microsystems,ドイツのSiemens AG,東芝テック,VenturCom社,ViewSonic社,米Wyse Technologyといった企業が名を連ねる。
 
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