CATV事業者が共同で設立しているコンソーシアム米Cable Television Laboratories(CableLabs)が米国時間8月31日に,DOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specification)規格の新版「DOCSIS 2.0」を開発することを明らかにした。物理層の変調技術を変更することで高いデータ伝送速度に対応する。

 ファイバ/同軸のハイブリッド・ネットワークにおけるデータ転送速度(上り)を最大30Mビット/秒に引き上げる。現行「1.0」は最大5Mビット/秒で,現在製品の動作テストを進めている「1.1」は10Mビット/秒。

 DOCSIS 2.0の変調方式には,A-TDMA(advanced frequency agile time division multiple access)のほか,新たにS-CDMA(synchronous code division multiple access)を採用する。S-CDMAは米Terayonなどがケーブル・モデム製品で採用している規格で,現行のDOCSIS 1.0とは互換性がない。ちなみに1.0はTDMAとFDMA(frequency division multiple access)に準拠している。

 DOCSIS 2.0は,「1.0」や「1.1」準拠のケーブル・モデムや加入者のケーブル・モデムを制御するCMTS(Cable Modem Termination System)との互換性を確保する。アップストリームのスループットを引き上げチャネル容量を増やすほか,耐障害性も高める。

 Cable Labsは,米Broadcom,米Conexant Systems,米Pacific Broadband Communications,米Terayon,米Texas Instrumentsなどのベンダー企業と協力体制を敷いている。2001年中に仕様を完成する計画である。2002年にDOCSIS 2.0準拠の製品が登場する見込み。

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