(2001.8.30,Mary Mosquera=InternetWeek)
米Sun Microsystemsが米国時間8月29日に,2001年9月期(同社の2002会計年度第1四半期)の業績が事前の予測を下回る見込みであることを明らかにした。「欧州および日本市場で需要が失速しており,売上高が伸び悩んでいる。企業のIT投資が回復する兆しは,まだほとんど見えていない」(Sun社)。収支は前期に引き続き赤字となる可能性が高いという。
具体的な数字などについては明らかにしていない。事前の予測では,売上高37億ドル,1株当たりの利益を0.02ドルとしていた。ちなみに,前年同期は売上高50億4500万ドル,純利益5億1000万ドル,1株当たり利益0.15ドル。売上高,受注高,純利益,1株当たり利益のすべての項目で過去最高を記録していた。
なお日本と欧州以外の市場については,米国市場が事前の予測をわずかに下回る程度でおさまり,米欧日以外の市場ではほぼ軌道に乗っているという。また,12月期(2002会計年度第2四半期)については,「業績が大幅に回復する見込みである」(Sun社)としている。
Sun社は,900MHz動作のUltraSPARC IIIを搭載するハイエンド・サーバーの新製品「StarCat Sun Fire 15000」を,9月中に投入する計画である。米Merrill LynchアナリストのTom Kraemer氏は,「同サーバーの販売に勢いが出れば,売り上げ増のシナリオも可能。しかし,実際のところ需要の回復はまだまだで,Sun社にとっては最も厳しい四半期となる可能性が高い」と分析する。
さらにKraemer氏は,欧州や日本の不振が米国市場に波及する可能性も少なくないと指摘する。「Fortune 500企業のIT投資は落ち込んだままで,政府機関の年度末(9月)需要も通年と比べ出だしが鈍い。現状からして,Sun社は過去最大規模のリストラや人員削減を行うのではないか」(同氏)。Sun社は世界各地合わせて4万3000人の従業員を抱える。
Sun社によれば,「研究開発費を削減する予定はない」という。研究開発やプロフェッショナル・サービスに関しては,現在も新規雇用を継続している。一方で,これまでに退職者の拡充を行わない自然減によって500人程度を削減した。
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