米Gartner Dataquestが米国時間8月29日に,「Internet Service Provider(ISP)と地域電話会社(CLEC)の不振が続いているものの,米国における消費者のインターネット接続サービスの需要は拡大している」との調査結果を発表した。

 調査はDataquest社が2001年6月に実施したもの。インターネットを日常的に利用している世帯は全体の61%にあたる6500万世帯で,2000年11月時点の5660万世帯から840万世帯増えた。このうち90%が今後も継続してインターネット接続サービスを利用すると回答している。

 「米国の消費者は,景気減速に伴い出費を抑える傾向にあるが,インターネット接続サービスに関しては従来の予算を確保しているようだ」(Gartner社アナリストのAmanda Sabia氏)。少なくとも向こう12カ月間は需要の勢いが衰えることはないとDataquest社はみる。

 インターネット利用世帯のうち,高速インターネット接続を利用する世帯の割合は25%弱。高速ネット利用世帯のうち,50%強がケーブル・モデムを利用する。また,ダイヤルアップ・サービス利用世帯の20%近くが2002年半ばまでに高速接続に切り替える予定と回答している。

 「ケーブル・モデム接続サービスのプロバイダ各社は拡販に力を入れている。一方で,DSLサービスの主なプロバイダであるベル系地域電話会社などは家庭ユーザー市場でのシェア獲得が進んでおらず,企業向け市場に力を入れ始めているようだ」(Dataquest社シニア・アナリストのPeggy Schoener氏)。

 DSLサービスの料金は最近値上げが相次いだほか,既存の地域通信事業者(ILEC),特にベル系電話会社が予定していたサービスの提供を相次いで中止している。

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