「家庭および職場におけるパソコン・ユーザーの20%以上は,送信元が不明な添付ファイルを好奇心から開き,ウイルス感染の危険を冒したことがある」。アンチウイルス・ソフトとセキュリティ・サービスを手がける米Central Commandが,米国時間8月29日に調査結果を発表した。

 世界のパソコン・ユーザー75万人以上を対象に,電子メールによるアンケートを実施したもの(回答率12%)。既知のコンピュータの脆弱点に対して,ユーザーがどのような行動をとっているか,また講じているセキュリティ対策などについて調査した。

 IM(インスタント・メッセージング)ソフトウエアを使用している回答者で,過去6カ月間に,転送されたファイルをダウンロードしたことがあるのは31%。そのうち16%は,ファイルの送信元が不明だったにもかかわらずダウンロードを行っている。

 「IMチャンネルを悪用したウイルスが増えており,この数値は憂慮すべきだ」(Central Command社製品マネージャのSteven Sundermeier氏)。

 また職場で電子メールを使用している回答者72%のうち,個人的なメールのやり取りにWWWベースの電子メール・アカウントを利用している人は38%。送信者が誰であれ,職場で受信するすべての添付ファイルを開くと回答した人は14%にのぼった。Sundermeier氏は企業のシステム管理者はセキュリティに関する方針を社内で徹底させるべきだと指摘した。

 注目に値するのは,最近「CodeRed」「SircamSircam」「Magistr」「Hybris」「Loveletter」など,多数のウィルスが猛威を振るっているにもかかわらず,回答者の多くがこれまでのオンライン環境やセキュリティに関する習慣を改める意志がない点である。

 また,回答者の41%がアンチウイルス・ソフトウエアをインストールしているものの,少なくとも1カ月に1度はウイルス定義ファイルを更新して,最新のウイルスを検出できるように備えているのは,わずか26%だった。

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