米Intelが米国時間8月28日に,カリフォルニア州サンノゼで開催中の「Intel Developer Forum(IDF)」で次世代サーバI/O「InfiniBand」に対応した製品のデモンストレーションを行うことを明らかにした。

 InfiniBandは,次世代サーバー向けの入出力インタフェース。Gigabit Ethernetやディスク装置,サーバー間接続などに用いるシリアル・インタフェースである。

 技術的にはスイッチド・ファブリックをベースとする。リンク1組(1組は単方向の伝送路2本で構成),4組,12組の仕様がある。リンク1組で2.5Gbps,4組で10Gbps,12組で30Gbpsとなる。各リンクには銅線あるいは光ファイバを使う。銅線の場合,延長距離は17m。光ファイバだと最長10kmまで延ばせる。InfiniBandを使ったシステムは,複数のサブネットで構成する。サブネット間はルータ・ブリッジで結ぶ。一つのサブネットは最大6万4000個のノードから成る。

 IDFで行う予定の四つのデモンストレーションは以下の通り。

・Intel社のホスト・アダプタ部品,米IBMの「DB2」,ドイツSAP AGのソフトウエアを用い,IBM社製サーバー「xSeries」上で企業向けアプリケーションの動作性能を披露する。InfiniSwitch社,米QLogic,OmegaBand社のスイッチを組み合わせる。

・Intel社のInfiniBand対応製品と米SAS InstituteのWWW解析ツール「WebHound」を用意し,米HP(Hewlett-Packard)の企業向け管理スイート「OpenView」を動作させる。米Adaptec,米Agilent Technologies,米Dell Computer,米EMC,米LSI Logic,OmegaBand社,QLogic社,Voltaire社が協力する。

・24社のベンダーによる100以上のInfiniBand対応ノードで構成した“世界最大”のInfiniBandファブリックを披露する。ビデオ・オンデマンド,WWWホスティング,データベース・クラスタ機能を備える。

・Dell社のサーバー・マシン「PowerEdge」5台をクラスタ接続し,Intel社製InfiniBand対応ホスト・チャネル・アダプタとソフトウエアの検証を行う。PowerEdgeは「Pentium III」プロセサ,2Gバイトの主記憶,100Gバイトのハード・ディスク容量を備える。IBM社のLinux対応データベース・ソフト「DB2 EEE」を走らせる。

 Intel社はInfiniBand対応製品向けソフトウエア開発支援として,ユタ州のインテル社敷地内に「InfiniBand Software Optimization Lab」を開設したことを明らかにした。ソフトウエア・ベンダーはIntel社のInfiniBand対応サーバー・プラットフォームやソリューションを利用して,アプリケーションの最適化を行うことができる。

 また,ハードウエア・メーカー向けにはInfiniBandテスト開発キットを発表した。Intel社が2001年2月にリリースしたInfiniBand製品開発キットに追加する。InfiniBandテスト開発キットには,InfiniBand Trade Associationのテスト仕様に基づいたテスト・エージェントが含まれる。ただちに提供を開始し,今後はInfiniBand製品開発キットの一部として組み込まれる。

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[www.intel.comに掲載の発表資料1]
[www.intel.comに掲載の発表資料2]