NECの米国法人NEC USAの半導体部門であるNEC Electronics社が米国時間8月27日に,「Technology Incubation Group(TIG)」と呼ぶインキュベーション事業の新部門を立ち上げたことを明らかにした。

 テクノロジ関連の研究開発支援事業として,シリコンバレー地域の有望な新興企業への出資や地元の大学との提携プログラムなどを推進する。対象となる技術分野は,ネットワーキング,消費者向け技術,無線アプリケーションなど。出資のほかに,必要に応じてサポート・サービスなども提供する。

 NEC Electronics社は,インキュベーション事業の第1弾として,カリフォルニア大学バークレー校のテクノロジ関連研究プログラム「Management of Technology Program(MOT)」に出資を行ったことも明らかにした。出資金額については明らかにしていない。

 MOTは同大学の工学部(College of Engineering),ビジネススクール,情報管理学大学院(School of Information Management and Systems)の3者が共同で開設している研究機関である。NEC Electronics社との提携プロジェクトでは,主に消費者向け広帯域接続ネットワーキングに向けた半導体技術の開発を行う。NEC Electronics社はMOPが開発する技術に対してアクセス権を持ち,知的財産権も両者共同とする。

 NEC Electronics社は,今後カリフォルニア大学バークレー校のほかの大学とも提携プログラムを立ち上げていく計画である。

 「才能ある学生や将来性の高い技術などに対し,早期の段階からアプローチしていく。当社の製品開発を補完するような知的財産権や新技術に対し,迅速にアクセスできるようにする」(NEC Electronics社)。同社によれば,社内の研究開発事業とは別に運営していくという。

◎関連記事
NECが米国で700人の人員削減,DRAM事業から撤退
NECが連結業績見通しを下方修正,PCと半導体の不調で
北米市場で苦戦する大手3社

[発表資料へ]