米Cisco Systemsが米国時間8月23日に,事業の再編計画について明らかにした。「顧客の要求の変化と通信市場の整理統合に対応するため」(Cisco社)としている。現在の事業構造(大企業向け事業,サービス・プロバイダ向け事業,商業向け事業)をエンジニアリング部門とマーケティング部門に集約する。

 「顧客のカテゴリや商品の要求条件が明確だった過去では,従来の事業構造がうまく機能していた。しかし,現在では顧客のカテゴリがあいまいになっている」(Cisco社社長兼CEOのJohn Chambers氏)ことが背景にある。

 エンジニアリング部門は以下の11の技術グループに分類する。

・アクセス
・アグリゲーション
・IOS技術部門(ITD:IOS Technologies Division)
・インターネット・スイッチングおよびサービス
・イーサネット・アクセス
・ネットワーク管理サービス
・コア・ルーティング
・光関連
・ストレージ
・音声
・無線

 マーケティング部門では,Cisco社が所有する技術の認知度向上に注力するとしている。

 また同社は,経営幹部の人事変更についても明らかにした。Cisco社のビジネス・ベンチャー・グループ上級バイス・プレジデントを務めたMario Mazzola氏を最高開発責任者に任命した。Mazzola氏はエンジニアリング部門の11の技術グループを監督する。また,商業向け事業部門の元上級バイス・プレジデントCharlie Giancarlo氏が4つの技術グループを指揮し,元最高戦略責任者のMichelangelo Volpi氏が,技術グループの最大分野であるインターネット・スイッチングおよびサービスの責任者となる。大企業向け事業部門の元上級バイス・プレジデントJames Richardson氏がマーケティング部門の最高マーケティング責任者を務める。

 ちなみにCisco社は会計年度2001年の通年業績で10億1000万ドルの純損失を計上している。Chambers氏は今回の再編計画に際して「事業が安定する兆しが見え始めている。会計年度2002年第1四半期における最初の数週間の受注は,会計年度2001年第4四半期時点の予測に達している」と述べた。

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