電子ブック(eBook)コンテンツの標準仕様を手がける業界団体The Open eBook Forum(OeBF)が米国時間8月20日に,Open eBook Publication Structure Specification(OEBPS)の新版「1.0.1」を公開した。

 OEBPSは,電子ブック・コンテンツの互換性を保つための仕様である。XMLをベースとしており,コンテンツや構造,表示方法を規定する。

 OEBPS 1.0.1はすでに,OeBFのWWWサイト(http://www.openebook.org/oebps/oebps1.0.1/download/index.htm)で閲覧やダウンロードが可能。HTMLやPDF,MS Word,OEBPSなどのフォーマットを用意する。

 1.0.1版ではこれまでの1.0に新機能を追加するものではないが,1.0にあったいくつかの誤り(エラー)を除去した。これらは主に,1)曖昧さの除去,2)記述や文法,文体における誤りの訂正,3)その他の訂正(矛盾点の訂正)の三つである。詳細については,「APPENDIX E: CHANGE HISTORY」に掲載している。

 なおOEBPSは現在OEBPSの2.0版を作成中である。2.0版では新機能や大幅な拡張が追加されるという。特に表示やリンク,ナビゲーション,国際化,メタデータの項目で変更を行うという。

 OeBFは,米Microsoft,米Adobe Systems,米InterTrust Technologiesなど電子出版関連の85社以上が参加する業界団体。目的は電子ブック端末やパソコンで,同一のコンテンツを同じ形式で表示できるようにすること。「作家や,編集者,出版社,コンテンツ所有者が様々な電子出版システムや電子ブック端末で電子タイトルを提供可能にするための共通のフォーマットを用意する」(OeBFエグゼクティブ・ディレクターのBob Bruce氏)。

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