米Aribaと米The Center for Advanced Purchasing Studies(CAPS Research)は米国時間8月20日に,企業の電子調達(eProcurement)システムの性能評価の取り組みに関して協力体制を敷いたことを明らかにした。

 両社は「eC3」と呼ぶベンチマーク・テストの手順を開発し,企業向けのサービスを実施する。eC3とは,Collect(収集),Compare(比較),Collaborate(協業)を意味する名称である。

 eC3ではCAPS Research社が現在使用している手作業のベンチマーク手順を拡張し,データ収集や分析などの手順を電子的に行うという。またAriba社が2000年9月から顧客に無償で提供している「Benchmarking Scorecard」をモデルにする。つまり,顧客の電子調達システムで実際に使われているデータを,電子調達システムから自動的に直接収集する。これにより「典型的なベンチマークを行う間隔を75%短縮する」(両社)。

 なお両社は測定基準の定義やデータ収集の手順の標準化について過去6カ月にわたり協力してきたという。このデータ定義は米国時間8月24日にCAPS Research社のWWWサイトに掲載する予定である。

 今回の取り組みは,次の三つに焦点をあてる。すなわち,1)Measurement:電子調達システムの主要な測定基準を定義する,2)Comparison:適切な比較対象を基準とすることで,企業に有意義な目標を提供する。3)Improvement:電子調達システムの新規・既存ユーザーに世界基準のベスト・プラクティスを提示し,自社のシステムに取り込めるようにする。

 「今日の経済情勢においては,単純に電子調達システムを導入しただけでは不十分。これで時間と金が節約できると判断することはできない。(電子調達システムの性能は)測定され,証明されなければならない」(Ariba社会長のKeith Krach氏)。

 なお企業のeC3サービスの利用については,企業が採用している調達ソフトにかかわらず全ての大企業に対して門戸を開くという。

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