米Sun Microsystems,日立製作所,日立の100%子会社である日立データシステムズ(HDS:Hitachi Data Systems)が現地時間8月8日に,ストレージ製品の販売に関し契約を結んだことを明らかにした。Sun社は,日立の大規模ストレージ製品「Freedom Storage Lightning 9900」を自社ブランドの新製品「StorEdge 9900」として,世界規模で販売する。

 両社は契約金額などの詳細については明らかにしていないが,英Reutersの報道によれば,「数十億ドル規模」という。

 Sun社とHDS社は,StorEdge 9900向けのサービスおよびソリューションの提供で協力体制を敷く。サポート・センターも世界規模で共同運営する。

 また,両社はストレージ管理ソフトの再販,ディストリビューションを相互に行うクロスライセンスでも契約を結んだ。今後のストレージ管理ソフトの開発に関しても協力体制を敷く。

 3社が発表したその他の合意内容は以下の通り。

・Sun社は,StorEdge 9900を「SunPlex」および「Sun Cluster」環境での利用に向けた製品として認定する。

・Sun社は,ミッドレンジ・サーバー向けのモジュラ型ストレージ・アレイ「StorEdge T3」を,DAS(Direct Attach Storage)およびSAN(Storage Area Network)環境向けに拡張する。データ・センターの大規模システムで利用できるようにする。

・両社のストレージ管理ソフトを互いのハードウエア製品に対応させる。両社はストレージ管理ソフトのディストリビューションに関しすでに提携関係にあり,これを拡大する。

 なお,日立は米Hewlett-Packard(HP)とすでに同様の提携関係に入っている。HP社が日立の大規模サーバー向けディスク・アレイ製品やストレージ管理ソフトを,自社ブランドのディスク・アレイ製品系列「Surestore XP」として顧客に提供している。また米IBMとは,ストレージ製品の相互運用性確保に向けAPIのクロスライセンス契約を結んでいる

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[Sun社の発表資料]
[HDS社の発表資料]